メニュー

学校情報

〒047-0002
北海道小樽市潮見台2丁目1-1
 北海道小樽潮陵高等学校
  TEL:0134-22-0754
  FAX:0134-22-5954
 

リンク

カウンタ

COUNTER249845

平成30年度入学式式辞

式   辞

 早く訪れた冬が過ぎ、本州では桜が見頃との便りが聞かれるようになりました。本日この良き日に、本校PTA会長安藤修様、同窓会副会長平口山和宏様、教育振興会会長濱本進様ほか、多数のご来賓並びに保護者の皆様方のご臨席を賜り、入学式を皆様と共にかくも盛大に執り行えることは、私を始め本校教職員一同、この上ない喜びであります。誠にありがとうございます。

 この度入学を許可された二百四十名のみなさん、入学おめでとう。小樽潮陵高等学校へようこそ。難関を乗り越えて入学し、様々な夢と希望を持っていることと思います。まず何よりも、皆さんが充実して明るく楽しい高校生活を送ることを期待します。この式に臨む我々一同、心からみなさんの前途を祝します。
 さて、日本は人口が減少し続ける社会になりました。12年後の2030年には、総人口の6%以上が減ると共に、15歳~65歳の働き手が10%近く減るという推計を、国立の研究所が公表しています。2045年には、北海道の人口の四分の一が減り、ここ小樽市の人口は半分になるという推計もあります。また、世界的には大きな気候変動が予想されています。例えば、2050年には温暖化が進行し、京都の紅葉の見頃はクリスマス頃となるという予想を、国連の世界気象機関が公表しています。さらに、世界の政治に目を移すと、EUからの英国の離脱、アメリカ合衆国や中華人民共和国の政治的・経済的動向など、ここ数年の世界的な政治情勢の変動は大きなものがあります。その上に、平均寿命は延び続け、皆さんの多くが百歳まで生きる、人生百年時代がやって来たと言われています。

 このような大きな変動の時期だからこそ、これからの世界を生きる人たちには新しい能力が必要になるとされています。そのために、本日入学した高校生が大学を受験する2020年度から大学入試が変わるなどする予定なのです。しかし、今現在の高校生がやるべきことは、今までと変わりありません。大学入試で試されるのは、大学に入学してから勉強について行く基本的な力があるかどうかです。ですから、今学校で教わっている勉強を確実に吸収することが求められます。今の勉強がいつ役に立つか皆さんには分からないかもしれませんが、「すぐに身に付くものは、すぐに役に立たなくなる」と慶應義塾大学の塾長だった小泉信三という人は言いました。また、知識や技術は意外なところで役立つことは、iPhoneを作ったスティーブ・ジョブズという人が言っています。彼が大学を中退後に勉強した、カリグラフィーという文字を美しく見せる技法が、コンピュータのOSを作るときに役立ったというエピソードです。何かができるということは、決して無駄にはならないのです。

 ところで、学力などの知能検査などで測定できる能力に対して、我慢強さ、自制心、意欲などが社会的な成功に大きな関係があると、最近欧米でも主張されるようになってきました。同じ学力であれば、それらの非認知能力や社会情動スキルと呼ばれる力の差で、仕事や結婚、違法行為の有無に差が出るというのです。また、それらの力は、学校行事や部活動で育てられると主張する人もいます。さらに、掃除を丁寧に行うことや、姿勢を正すさえ効果的であるという主張もあります。実は、学校で行われる様々なことは、長い経験から何らかの良い教育的効果があるとされていることです。皆さんには、学校祭などの学校行事や部活動に積極的に関わり、友人との協働を通して、非認知能力、社会情動的スキルを伸ばしてほしいと思います。

 なお、高校時代は、肉体面で見ると成長期の最後です。精神面で見ると、子どもから大人になりかける移行期で不安定な時期です。幸せ物質と呼ばれるドーパミンを脳内に生成するためには、規則正しい生活で日光に適度に当たること、偏りのない食生活をすること、そして適度に運動することが効果的とされています。一言で言えば健康的な生活が、実りの多い高校時代につながります。また、文学や芸術に親しむことも大切です。たくさん本を読み、音楽や美術などに親しむことは、豊かな高校生活につながります。

 以上、今日から小樽潮陵生になる皆さんに対する大きな期待を述べました。もしかするとその期待は重荷かもしれませんが、是非、その大きな期待に応えてほしいと思います。ただ、成果を求めて焦っても何にもなりません。Haste not. Rest not.「急ぐな、休むな」。札幌農学校の二期生で国際連盟事務次長も務めた国際人、新渡戸稲造が好んで書にしたためた、ゲーテの詩の英訳です。毎日確実にやるべきことをやるのことが大切なのです。

 最後に、保護者の方々に申し上げます。高校生活の三年間は、子どもにとっては密度の濃い三年間です。高校卒業後の進路など、具体的に考え始める時期ですが、まだまだ独り立ちしていない時期です。この三年間、我々としてできる限りの指導・支援に努めますが、保護者の方々と我々学校との連携が非常に重要です。保護者と学校が共に子どもを育んでいきたいと思いますので、宜しくお願いします。

 本日入学した二百四十名が明るく楽しい学校生活を送り、様々な能力をこの三年間で獲得して伸ばすことを期待し、式辞といたします。
平成三十年四月九日
北海道小樽潮陵高等学校長 片 岡   晃